クロノトリガーに続いてゲームのお話。
これまた同じくスーファミソフトの話ですが『ファイアーエムブレム〜聖戦の系譜〜』これが面白い。
今時のゲームはやり込み要素があり過ぎて時間がいくらあっても足りないのでワタクシ的にはスーファミ程度が1番親しみやすいのであります。
まぁ青春時代がスーファミ世代だからってのもあるんだけど。
さてこのファイアーエムブレム(以下FE)シリーズですが今尚、続編が出続ける任天堂のヒットコンテンツであります。
その中でワタクシが1番ハマったのがFE聖戦の系譜。
初代と比べて大幅なシステム変更が成されておりますが、そのゲーム的な部分はさておきシナリオが秀逸。
以下ネタバレを含みます。
事の発端は主人公であるシグルドの幼馴染のエーディンが蛮族に拐われるところから始まりこの救出に向かうわけですが、この手の物語の入りとしては割と定番な展開かと思います。
しかしこの聖戦の系譜という物語の背景には国と国との戦争も舞台に取り入れられており、国境を侵すことを他国が良く思わなかったり自国の警備を手薄にすると他国に攻め入られるリスクがあったりと単なるイイものと悪いものが戦って最後には正義が勝つというストーリーにはなっておりません。
シグルドは拐われたエーディンを救出したいだけであるのに、やがて事は大きくなりシグルドは反逆者の汚名を着せられ国と国との戦争に、、、。
他国の友からの手助けや、敵国ながら人と人との繋がりで自国を裏切る覚悟で加勢するもの、
逆に友でありながら祖国の為に剣を交えるもの。
それぞれの正義が己の中にあり、己の正義をかけて戦い合う様はゲームでありながら1つの歴史の物語の様に構成されております。
更にこの聖戦の系譜は恋愛と親子の関係も重要なファクターであり、後半パートは親世代から子世代へと引き継がれていく壮大な物語となっております。
またこの親子の関係はプレイヤーがマルチに選択出来るためパターンも豊富であり、ゲーム性や難易度もさる事ながら血縁も組み合わせによって変わってくるので後半の因縁国同士の対決や血縁同士の対決なども非常に見応えがあったり哀しみがあったりします。
個人的に好きなエピソードはレンスターとトラキアの関係。
豊かな資源を誇るレンスター王国と山岳が多く生産の厳しい土地のトラキア。
この国を建国したのが聖戦士ノヴァと聖戦士ダイン。
血を分けた兄妹でありながらダインの末裔であるトラキアの現国王トラバントはレンスターの土地や資源を求め度々の侵略を試みる。
ハイエナと呼ばれたトラバントも自国の国民からは熱い支持を受ける。
全ては自国の民を豊かにする為の侵略。
褒められたものではないのかもしれないものの彼には彼なりの意志があった。
トラバントの願いは成就し、ついにレンスター王のキュアンと王妃エスリンを砂漠に沈める。
彼らの娘アルテナを人質に取る事で。
時は流れキュアンの息子であるリーフは打倒トラキア、打倒トラバントを掲げ戦場に。
そこで敵国トラキア軍の中に見たリーフの実の姉であるアルテナ。
人質に取られた後にアルテナは両親の仇であるトラバントを父と思わされ育てられてきた。
リーフとの再会で明かされる真実。
その頃トラバントは何を思うのか?
そしてトラバントの実の息子でありアルテナが兄だと思い慕っていたアリオーンとの関係はどうなっていくのか?
個の感情と国を背負う王としての判断とが葛藤し合う戦場。
このFEの中の1シーンでしかないトラキア編は色々と考えさせられるところもあります。
尚、このトラキア編だけを作品にしたFEトラキア776という作品もあるのでこちらもオススメです。
ただしこの聖戦の系譜の難易度を10とした時のトラキア776の難易度は100ぐらいあるので幽助と仙水の霊力値ぐらいの絶望感はありますが。
さて長くなってきたw。
このFE聖戦の系譜は先のクロノトリガーと同じくサウンドも秀逸で、「アグストリアの動乱」「獅子王エルトシャン」「運命の扉」「光と闇と」辺りは神曲と言っても過言ではないでしょう。
少年時代に正義と悪が戦って正義が勝つというジャンプコミックの様な話から初めて背景に奥行きを感じる事になった作品であるFE聖戦の系譜を第5段の好きなものに認定しますw。